「俺には理解できないな。一体、そんなもののどこがいいんだ?」
 カメラを手入れしている僕を画面越しに見ると、彼は不思議そうに訊いてきた。
「僕には理解できないな。一体、そんなもののどこがいいの?」
 僕もレンズ越しに彼を見、シャッターを切る。
「……勝手に撮るなって言ってるだろ?」
 少しだけ顔を赤くすると、僕のレンズを手で覆おうとした。慌てて、カメラを遠ざける。彼はすぐレンズに指紋をつけたがるから。
「ビデオだったら良いわけ?」
 彼の手からビデオを奪うと、今度はそれで彼を撮った。また、彼の手がレンズに伸びる。
「だから、やめろって」
「だってズルイじゃない。乾はよくて僕は駄目なんて」
 電源を切り、彼に渡す。わざとらしく頬を膨らせて見せる。
「そんな顔するなよ。俺のはデータ収集なんだから。仕事だよ、仕事」
 せっかく切った電源をまた入れると、彼は僕にレンズを向けた。
「なーにがデータ収集だよ。だったら、試合してるときに撮ればいいでしょ。ストーカーさん」
 再びビデオを奪い、今度は彼の手の届かないところにそれを置いた。少しだけ淋しそうに、機械を見つめる。
「用途が違うからね」
 彼の視線を遮るようにして、僕は彼の顔を覗き込んだ。突然の僕の言葉に、彼の頭上にハテナが浮かぶ。
「だから、僕のカメラと、乾のカメラの違い」
「俺のはカメラじゃなくてビデオだろ?」
「同じだよ。映像を撮ることにかわりはない。それにビデオだって、ビデオカメラって言うしね」
 自分のカメラを取り、レンズにカバーをはめた。彼のビデオも手に取り、僕のカメラと並べて机の上に置いた。同じようにして、僕も彼の隣に座る。
「それと、性格も関係してるかも」
 彼の手に触れ、指を絡ませる。
「……不二?」
「だから、さ」
 体の向きを変えると、彼にキスをした。そのまま、彼の体をゆっくりと倒す。
「僕は気移りしないってこと。新しいものには興味ないんだ」
「………俺は気移りするって?」
「しないの?」
 クスリと微笑い、もう一度、深く口付ける。
「……お前は、古くならなそうだしな」
 唇を離すと、彼は意味有り気に微笑った。いまいち掴めない、彼の言葉。それが嬉しいのか、彼の口が更に吊り上る。
 ああ。なんかムカつく。
「僕が乾を好きな理由、教えてあげよっか?」
「ん?」
「……乾って、最新なモノが好きなくせに、アンティークな感じだよね」
 触れるだけのキスをし、意味深な笑みを見せる。
「何だよ、それ」
 今度は彼が不思議そうな顔をして僕を見つめた。





……すんません。途中で自分でもなにを書いているのか理解らなく…(死)
乾はダサくてなんぼ。



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