「………ぁ。」
 唇を離すと、彼はぐったりと僕の胸に寄り掛かった。
「手塚。まだ、駄目だよ」
 囁き、彼の顎を掴むと、再び唇を重ねる。
「ふ……っじ」
 苦しいのか、彼が僕のシャツをぎゅっと握ってきた。その手に自分の手を重ね、優しく解く。ひんやりとした彼の手が探るように動く。僕たちは、指を絡めた。唇を離す。
「っは。はぁっ」
 彼は僕の胸に顔を埋めると、肩で息をした。唾液が気管に入ったのか、少し、むせている。耳まで真っ赤にして…。
「なかなか上手くならないね」
「……何が、だ?」
「キス。」
「ばっ……」
 瞬時にして彼の顔が赤くなる。その顔を隠すように、彼は俯いた。
「お前が、そんなにがっつくからだろう?」
 小さな呟きだったが、二人しかいないこの部室。彼の声は充分すぎるほど僕の元へ届いた。思わず、笑みがこぼれる。
「ゴメンね。でも、キミの体温をもっと感じたくてサ」
 絡まった指を解き、彼の頭を抱えるようにして優しく抱きしめた。くせのある髪を撫で、顔を埋める。いつも涼しげな彼の、石鹸のかをり。
「………不二」
 彼が僕の腕の中でもぞもぞと身体を動かす。
「何?」
「暑い。」
 言うと、彼は僕の胸に手を当て、押し退けた。雰囲気ってモノを、解ってない。
 僕は溜息をつくと彼の肩を掴んだ。そのまま押し倒す。
「不二…?」
「こうすれば涼しくなるよ」
 最高の笑みを向けると、僕は彼のシャツをたくしあげた。現れた白い肌に舌を這わせる。
「っ、待て。誰か来たら…」
 慌てて彼が僕の頭を掴む。
「ってて。大丈夫だよ。鍵、かけてあるし」
 僕はその手をとると、彼に口付けた。
「心配なら、声、我慢してもいいよ」
 クスリと微笑いを見せ、また唇に触れる。
「ぅいう問題じゃない。こんなところで…」
「ドキドキするよね」
 呟いて、僕は彼を抱きしめた。左胸に耳を当てる。
「ほら、手塚もドキドキしてる。…その所為なのかな、いつもよりちょっとだけ温かいよ」
 左手で、彼の胸をなぞる。観念したのか、彼は抵抗することをやめ、僕の首に腕を絡めてきた。僕は身体を少しだけ離すと、彼を見つめた。彼も僕を見つめる。
「でも、ホント言うとね、場所なんて関係ないんだ。僕はキミといるだけで凄くドキドキしてる。きっと、これが『好き』ってことなんだろうね。……ねぇ、キミは?手塚も僕と居るとドキドキする?」
 僕の言葉に、彼は顔を赤くすると目線をそらした。
「聞くなっ。馬鹿」
「………うん」





裏にしようかどうか迷ったんだけどι
『唇』+『シュガーベイビー』な話。また自分のをパクってるし(笑)



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