まだ抜け切れない熱。朦朧とした意識でも感じる、隣の空白。慌てて、体を起こす。
「………っ。」
「寝てなよ。痛むでしょう?今日は少し非道くしすぎたからね」
 感じる後ろの痛みに顔を歪めたオレを見て、不二は愉しそうに微笑った。中途半端な姿勢のままで固まっているオレの額の髪を掻き揚げ、そこに唇を落とす。
「顔、まだ赤いね。なんか誘われてるみたいだよ」
 オレの頬に触れ、クスリと微笑う。オレはその手に自分の手を重ねた。
「手塚?」
「誘っている、と言ったらどうする?」
 真剣な眼で、不二を見つめる。
 流れる、沈黙。
 そして、失笑。
「冗談。君がそんなこと――」
 言葉の続きを聞きたくなくて。オレは唇を重ねた。不二を強く抱きしめる。布越しに辛うじて伝わってくる温もりが、嫌だ。
「……手塚?」
 戸惑う不二にお構いなしに、オレは服を脱がせた。いつもはされる側だから、手つきが酷くぎこちない。
「本気、なの?」
 オレの腕を掴むと、不二は顔を覗き込んできた。その眼をしっかりと見つめ、頷く。不二は驚いたような困ったような、なんとも言えない表情をした。
「駄目、か?」
「…………いいよ。君の望むままに」
 不二が歪んだ笑みを向ける。肩に、温もりが帰ってくる。そして、唇にも。
「んっ……」
 不二はオレの上にまたがると、もっと深く唇を重ねてきた。その首に腕を回し、オレも答える。
 熱は完全に冷めてはいなかったから。いとも簡単に蘇った。敏感になった肌に感じる、服の感触。
「…ふっじ」
「……ん?」
「服、脱げ」
「駄目だよ」
 シャツのボタンを外そうとした手を、掴まれる。理性と共に奪われてしまった抵抗力。オレの手はあっさりとベッドに押し付けられてしまった。肩から指先へと、不二の舌が動く。
「僕は、帰らないと…」
 熱くなり始めた声で、不二が呟いた。もう、夜も遅いのに。そうまでしてオレの元から去ろうとする不二の気持ちが、解らない。
「帰らないで、くれ…」
「…んっ……」
 不二を抱き寄せ、深く、唇を重ねる。肌に感じる、布の感触。その摩擦ですら、オレの情を掻き立てる。
「好きだ」
「……うん」
 耳元で囁く。不二は小さく頷いた。待ち望んでいたものが来ると思った。けれど、与えられたのは、二人の間をすり抜ける、冷たい風。
「不二?」
「でも、駄目だよ。僕は帰らないと」
「何故っ」
「溺れちゃうから。君に。それが、怖いんだ」
 自嘲気味に微笑う。そんなの、答えになどならない。ずるい。
「オレは、とっくにお前に溺れているのに…」
「駄目だよ」
 呟きながら、オレに熱い刺激を与えていく。耐え切れず、オレは淫らな声を上げた。滲んだ視界に映る不二の口元が、僅かにつりあがる。
 或いは、気づいていないだけなのかもしれない。
 だったら、オレに今出来ることはひとつ。
 不二が帰ることが出来ない程に、一晩中、求め続けて……。





少ないので、手塚の誘い受け。(ああ。うちのサイトでは結構在るかもねι)
裏のようなネタなのに表なのは、喘ぎ声がないからで(爆)

「先生も携帯持ったらどうですか?」「持たないよ。溺れちゃうから」
そんな会話(メール)からヒントを貰ったネタ(笑)
しかし先生、既にモバイル中毒です。今更携帯を持とうが持つまいが変わらないって(笑)




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