「……何を、お願いしたの?」
 白い息を吐きながら、不二が訊いた。
「『全国大会に行けますように』って。ここ数年、青学は関東止まりだしね」
 空に上っていくその白を眺めながら、おれは答えた。
「そうだね。行けるといいね、全国」
 不二は微笑いながら言うと、おれの手に指を絡めてきた。そのまま、おれのコートのポケットにその手を押し込める。
「不二は何てお願いしたんだい?」
「んー。『少しでも長く、タカさんと一緒にテニスが出来ますように』って。ま、要は『全国大会優勝』ってことかな」
 自由な手にハァと息を吹きかけると、不二は微笑った。
「大きく出たね」
「だって、タカさん、高校行ったらテニス辞めるつもりでしょ?」
 肩に頬を押し当て、不二はおれを見上げた。思わず、眼を逸らす。
「あ。やっぱり」
「……なんだ。知ってたわけじゃなかったんだな」
「うん。だって誰にも言ってないでしょ?」
「…まぁな」
 まいったな。このことは高校に入るまで誰にも言わないでおこうと思ったのに。最後のテニスを『思い出』なんて言葉でくくりたくないから。
「だから、さ。全国に行くだけじゃ駄目なんだよ。優勝しないと、ね」
 夢を見る少年のような眼で、不二は空を見上げた。つられるようにして、おれも空を見上げる。澄んだ空気の中見上げた空は、不二の眼のように綺麗な蒼をしていた。
「ねぇ、タカさん」
 空を見上げたまま、不二が問う。
「何?」
 おれも、空を見上げたまま答えた。
「僕と、ダブルス組もうよ」
「……え?」
 不二の口から出てきた言葉に驚き、おれは視線を不二に戻した。眼が合うと、不二は微笑った。
「ね。一緒にテニスしようよ」
「ズルイなぁ、不二は」
 そんな風に言われて。おれが断れるわけないじゃないか。
「タカさんの弱点って、僕だよね」
 おれの心を読んだのか、不二は微笑った。そのまま、猫みたいに肩に頬を摺り寄せてくる。
「そうだな。不二と一緒にプレイできたら楽しいかもしれないな」
「それで全国にいけたら素敵だよね」
 クスクスと楽しそうに、不二が微笑う。
「……頑張るよ」
 おれは空いてい右手で、不二の頭をそっと撫でた。その手を不二が掴む。
「うん。その前に、まずはタカさんがレギュラーにならないとね」
 頑張れ、と呟くと、願いをかけるように不二はおれの右手にハァと息を吹きかけた。
「はは…。大丈夫かな」
「大丈夫だよ。これから毎日、僕と自主トレするんだから」
「え?」
「ほら、早く行こう!僕だけの秘密の練習場、教えてあげるから」





タカさん相手だと、妙に優しいなぁ不二くんは。
タカさんって、3年に入ってからレギュラーになったんだよね?
最初のランキング戦のとき、レギュラージャージ着てなかったから。
じゃあ、その前は誰がレギュラーだったんだろうね?あはっ。不思議
……どーでもいいけど、初詣って神社でいいんですよね?(←阿呆)




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