1.登場が派手すぎます(蔵飛)

「……飛影」
「何だ?」
「いちいち登場が派手すぎですよ。もうちょっと大人しく部屋に入ってこれませんか?」
「うるさい。俺がどうやって部屋に入ろうと、俺の勝手だろう」
「あのね。何の為に合鍵を渡したと思ってるんですか。貴方に窓を割らせないようにする為ですよ」
「ふん。そんなに割られるのが嫌ならば、窓の鍵なんぞ閉めるな」
「だったら、合鍵なんて貰わないで下さいよ、全く。人間界は在る意味、魔界より物騒なんです。窓なんて開けっ放しにして置けるわけないでしょう。あーあーあー、こんなに散らかして。最近、毎日のように窓割ってるんですよ、貴方。金銭面は大丈夫ですけど。近所に不審がられるわ、業者さんに不審がられるわで、大変なんですから」
「五月蝿い奴だな」
「五月蝿くさせてるのは誰ですか。それに、貴方の割るガラスの音のほうが充分五月蝿いですよ。ほら」
「……何だ?」
「何だ、じゃないでしょう。ガムテープですよ、ガムテープ。これで床に散らばった小さなガラス、拾って置いてくださいよ」
「って、おい」
「オレはまだ仕事が残ってるんです。それとも何ですか?貴方がオレのかわりに仕事やってくれますか?」
「………ちっ」
「ああ、それと」
「何だ?」
「玄関から入らないなら、合鍵、返してください。コエンマにでも渡しますから」
「……………断る」

(2005/01/25)
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