「………腕」
「ああ。巻き直しておきましたよ。忌呪帯法なら、オレも知ってますから」
「…………」
「何か?」
「……やり直せ」
「は?」
「いいから、やり直せ」
「無茶言わないで下さいよ。これから桑原くんが戦うって言うのに」
「フン。そんなに真剣に観るようなものでもないだろう」
「あのねぇ。それに、貴方が自分でやるよりは、充分綺麗に巻けてると思いますけど?」
「だからやり直せと言ってるんだ」
「………は?」
「………………こんなに綺麗にやられたら、次解くのにいちいち躊躇うだろう?」
「………ひ、えい?」
「っ。もういい。自分でやる」
「ちょ、ちょっと」
「五月蝿い。今のは忘れ――」
「解いたら」
「?」
「またオレが丁寧に巻いてあげますよ。ね?」
「………フン」
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