3.尻尾を巻いて逃げる(蔵飛)

「貴様っ。ここまで来て尻尾を巻いて逃げる気か!?」
「巻いて欲しいんですか?だったら、妖狐になりますけど」
「そう言う意味では」
「なんてね。まぁ、そう思ってもらっても構いませんよ。どちらにしろ、オレは貴方と戦う気なんてありませんから」
「だったら何故魔界(ここ)まで来た?」
「何故って。貴方がついてこいって言ったんじゃないですか」
「戦う気が無いのなら、ついてこなければいいだろう」
「ついてくれば俺が貴様と戦いたがっている理由を教えてやる。なんて、言ったのは誰でしたっけ?それなのに、魔界についた途端、貴様が俺に勝ったら教えてやる、って。話、違いますよね」
「……っ。だ、だったら、そんなに知りたくば俺に勝てばいいだろう」
「それはそうなんですけどね。でも、オレにとっては、貴方と戦うことの方が、理由が分からないもどかしさよりも嫌なんですよ。戦わないと理由が分からないのなら、オレは分からないままでいい」
「……貴様はどうしてそこまでして俺と戦いたがらない?」
「さぁ。どうしてでしょうね?ま、それは、貴方がオレと戦いたがる理由を教えてくれたら、教えてあげますよ」
「…………貴様」
「じゃあ、そう言うわけでオレは帰ります。あ、妖狐になって、尻尾、巻いた方がいいですか?」
「いらん。とっとと帰れ!」
「はいはい。貴方も、遅くならないうちにちゃんと帰ってきてくださいね。オレの部屋に」
「………っ。五月蝿いっ!」

(2005/01/29)
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