12.ヤケ酒(飛影&幽助 ※蔵飛前提)

「おいおい。もうそれくらいで止めとけって」
「……うるさいっ」
「蔵馬にふられて自棄酒なんて」
「フラれてなどいないっ」
「あー、はいはい。キャンセルされたんだよな、約束を」
「ったく。母親なんぞにそそのかされやがって」
「そそのかっ…。それ、なんか違くねぇか?」
「同じだ。俺との約束が先だったのにっ。先だったのにっ…」
「ひ、飛影?」
「蔵馬のバカぁー」
「……な、泣き上戸か!?」
「ふみゃー」←泣き声
「お、おい。飛影。落ち着けって。な?」
「ゆーすけ。お前はいい奴だ。いい奴だ」
「ちょっ、待て。抱きつくな。あ、コラ。人の服で涙拭くんじゃねぇよ。おい。……いっ!?」
「幽助。ヒトの部屋で何をやってるのかな?」
「く、蔵馬!?何で、ここに…。今日はお袋さんとこに泊まるって…」
「母さんが倒れたって言うから帰ったんですけどね。ただの風邪だったようなので。薬を飲ませて帰ってきたんですよ。飛影も、心配だったことですし」
「あーはは。そっか、そっか。じゃあオレはこれで…。って。おい、飛影。離せよ」
「一体ここで、何をしてたんです?」
「ち、違うんだ、蔵馬。大体、オメーが飛影との約束をキャンセルすっからだなぁ」
「その隙に、オレの飛影に手を出そう、と?」
「ちがっ。だから、飛影に酒に付き合えて誘われたんだよ。酒用意しとくからって」
「飛影から誘った?本当かな?」
「本当だって。な、飛影。飛影?寝てんのかよっ」
「あーあ。気持ちよさそうに眠っちゃって。余程、幽助の腕の中が心地良いみたいですねぇ」
「いや、だから、誤解。誤解だから。なっ。第一、オレには螢子がいるし…」
「…だってさ、螢子ちゃん」
「いっ!?」
「ゆ〜う〜す〜けぇ〜っ」
「ゲッ。螢子。オメーなんでここに」
「おばさんがアンタが居ないからってアタシに連絡してきたのよっ。心配してたのに。またお酒?」
「いや、だから、その…」
「いいから、帰るわよっ」
「イデデ。分かった。分かったって。帰るから。耳引っ張るのはやめろって。おい螢子っ…」
「じゃあ、蔵馬さん。うちのバカがすみませんでした。こっちでしっかりしかっておきますから。それじゃあ、おやすみなさい」
「ああ。おやすみなさい………と。あとは飛影、か。ほら、飛影。起きて下さい。こんな所で寝ると、風邪、引きますよ?」
「……ん」
「あーあー。こんなに散らかして。そう言えば、このお酒は飛影が用意したって……もしかして、オレの金使いました?」
「…………」
「駄目だ。寝てる。しょうがない。ベッドに運んでやるかな。ほら、飛影。掴まって」
「…………」
「っと。ほら、腕ちゃんと仕舞って。じゃあオレ、部屋片してきますか………?」
「…………」
「飛影。ちょっと、離して」
「…らま」
「…………」
「…………」
「全く。しょうがないですね。部屋は明日、片付けることにしますよ。だから、手、離してくれませんか?そのままじゃ、オレ、寝れませんから」
「ん」

(2005/4/3)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送