14.煙草を逆さに咥え、そのまま火をつける。(アクタカ)
「亜久津。あの、さ。お願いがあるんだけど」
「あんだよ。そんな改まって」
「オレたち、もう高校生になったわけだし、さ。だから、その……」
「お前ぇな。言いたいことがあるんだらはっきり言いやがれよ。イライラすんな」
「じゃあ、言うよ」
「だから言えっつってんだろ」
「エッチしよう?」
「……は?」
「だ、から。エッチしようって言ったんだよ。何回も言わせないでくれよ。恥ずかしいんだから」
「お前だって、それ。自分で意味分かって……」
「分かってるよ。不二から聞いたし。その後、手塚に確認もしたから。多少の痛みくらい、覚悟は出来てるよ」
「あ、ああ。そう。お前、俺に抱かれたいわけだ」
「え?違うの?」
「い、いや。そうだ。そうだよな。ああ。それでいい。いや、それがいい」
「?他に何か別のやり方があるの?」
「ねぇよ!」
「怒鳴るなよ。な、いいだろ?」
「べ、別に。お前がそれでいいってんなら、俺はかまわねぇけどよ。……覚悟は、出来てんだろうな?」
「出来てなかったらこんなこと言わないよ。亜久津こそ、いいの?」
「な、にがだよ」
「不二が言ってた。エッチしたらもう男じゃないと満足出来なくなる場合があるんだって。するほうも、されるほうも。だから、その。亜久津はそうなってもいいのかな、って」
「お前は構わねぇんだろ?」
「ああ」
「つぅかお前、それって俺がお前と別れる可能性もあるってこと言ってんだぞ。分かってんのか?」
「分かってるよ。その可能性がないって言いきれないから、聞いてるんじゃないか」
「……可能性、ね。いいぜ。だったらお前、抱いてやるよ」
「本当かい?」
「ああ。それで俺がお前以外じゃなきゃ満足できねぇようになりゃいいわけだ。違うか?」
「――え?」
「い、いや。何でもねぇよ。……ったく」
「あ。亜久津っ」
「なんだ?今更怖気づいたのか?」
「そうじゃなくて、煙草。逆!」
「あ?……あ。ああ。悪い」
「……ねぇ、亜久津」
「んだよ。もう逆じゃねぇよ」
「そうじゃなくて。もしかして、さ」
「だからなんだっつーんだよ!」
「もしかして。今、ものすごぉく、動揺してる?」
「…………」
「してるんだ?」
「してねぇよ」
「……へぇ」
「んだよ。犯すぞ、ゴラ」
「いいよ。亜久津になら」
「……バーカ」
(2009/9/2)
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