17.私の半分は優しさで出来ている(はるみち)
「……はい、これで大丈夫。転んだくらいで泣いちゃ駄目よ?男の子なんだから」
「うん。ありがとう、お姉ちゃん!」
「……優しいんだな、みちるは。見ず知らずの子にまで」
「あら。妬いたの?」
「別に。……ただ、僕以外にも優しいんだなって思ってね」
「当たり前よ。だって、私の半分は優しさで出来てるもの」
「へぇ。じゃあ残り半分は?」
「勿論、誰かさんへの愛よ」
「誰かって、誰?」
「さあ?」
「教えてくれないんだ。じゃあ、その誰かさんは僕じゃないってことかな」
「……どうしてそうなるの?」
「だってそうだろ?君の半分が優しさで、残り半分が僕への愛情なら。100パーセント僕への優しさがくるはずじゃないか」
「はるかさん。愛情というのはね、必ずしも優しさとは限らなくてよ?どろどろした感情で、貴女を壊して閉じ込めてしまいたいと思うときだってあるんだから」
「――え?」
(2009/9/18)
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