25.魔女っ子(外部ファミリー)
「はるかパパ」
「ん?……あれ?どうしたんだい、ほたる。その恰好は」
「トリックオアトリート!今日はハロウィンだよ。忘れたの?」
「忘れてないよ。ただ、その恰好は、予想外だったかな。」
「お菓子くれないと、魔法かけてカエルにしちゃうぞ」
「カエルは困るな。きっと、みちるは触れないから。……はい」
「あ。クッキー。猫の形だ。可愛いっ」
「僕はね、基本的に菓子類は作らないんだけど」
「え?じゃあこれ、はるかパパが作ったの?」
「そうだよ。みちるに教えてもらってね。沢山あるから、それ持ってお友達のところに遊びに行っておいで」
「うんっ」
「……あ。でも、ちょっと」
「なあに?」
「それ、丈が短くないか?その、足が、ほら。……仮装パーティ、男もいるんだろ?」
「何言ってるの?はるかパパ」
「だからさ、」
「はるかさん?過保護もいい加減にしないと、ほたるがなにも出来なくなってしまってよ?」
「みちるママ」
「!」
「みちるママもお揃いだ」
「どう?似合うかしら?」
「うん。とっても似合うよ」
「ありがと、ほたる。ほら、せつなが外で待ってるから。いってらっしゃい」
「うんっ」
「あ。ちょっ……。ほたる!」
「ほたるなら大丈夫よ。せつなが保護者として一緒に行くんだから」
「…………」
「あら。納得していない顔ね。それとも、ほたるの仮装に見惚れてしまったのかしら?」
「……何、妬いてるの?」
「だってはるか。……ねぇ、似合う?」
「丈が、短すぎるんじゃないかな?」
「他の誰に見せるわけでもないわ」
「だけど、僕が見る」
「だから」
「だから、だよ。みちる。……欲情するだろ?」
「変ね。私まだ、貴女に魔法をかけてなくってよ?」
「魔法なんて。……君の魔法は、効かないよ」
「どうして?」
「僕は僕の意志で君を好きになったんだからね。いつか効力のなくなる魔法なんかの所為じゃなく」
「はるか……」
「だから、その恰好。どうにかしてくれないかな?……似合うけど。似合いすぎて、少し怖いよ」
「それ、どういう意味かしら?」
「クッキーでも食べようか。悪戯されても、困るしね。それに、悪戯するのは僕の役目だし。……だろ?」
「……もう」
(2009/9/14)
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