36.クールダウン(はるみち)
「はるかっ。はるか落ち着いて」
「何で落ち着いていられるんだよ!こいつはっ……」
「ただ道を聞かれただけよ」
「腰に手を回さないと道が聞けないのか?支えが無いと立っていられないとでも?」
「はるか。何も無かったんだから。ねぇ。この人、もう放してあげて」
「……分かったよ。でも、もし次にお前を見かけたら」
「分かりました。もうしませんっ。ごめんなさいっ」
「……泣いてたわよ、彼」
「情けないな。そんなんでみちるに声をかけるだなんて」
「はるか」
「だいたいみちるもみちるだ。何であんなやつに触られて平気でっ……ん」
「だって。何かあったらはるかが助けてくれるって分かってるから」
「……あってからじゃ、困るんだよ」
「でも実際、何も無かったわ。貴女が助けてくれたから。……ねぇ。少しは落ち着いたかしら?」
「……」
「はるか?」
「……あのさ、みちる」
「なあに?」
「そんなこと、されたら。逆に落ち着かなくなるだろ?頼むよ」
「じゃあ、早く帰りましょう?」
「え?」
「落ち着けないといけないわ。大丈夫。貴女の熱はちゃんと私が貰うから」
「……みちるさん?」
「何かしら」
「そういうセリフは、夜にしてくれないかな。頼むから……」
(2009/10/3)
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