41.宇宙船の部品とおぼしき物体(3-6)
「ふーじっ。何やってんの?……何、それ」
「んー。なんだろ。空から降って来たんだ」
「どゆこと?」
「さぁ?……もしかして、宇宙船の一部だったりして」
「うっわー。不二、もしかして宇宙人とか信じてんの?」
「何言ってるんだよ、英二。宇宙人はいるよ?だったほら、僕がその証拠」
「へ?不二、宇宙人なの?」
「そうじゃなくて。地球外から見れば僕たちは宇宙人だってこと。日本じゃアメリカ人は外国人だけど、アメリカに行けば僕たちが外国人でしょう?それと同じ」
「……よく分かんない」
「海外に行けば分かるよ」
「どーせ俺んちは貧乏だよっ。家族旅行なんて国内でいっぱいっぱいだよっ!」
「羨ましいな」
「イヤミ?」
「そうじゃなくて。家族が多いってこと」
「何言ってんだよ。不二んとこだって三人兄弟だろ?少なくないじゃん」
「そうだけど。家族旅行なんて、裕太が出て行ってから行ってないからさ」
「……あ」
「それに、姉さんも、もうそいういう年齢じゃないしね。だからいつまでも兄弟仲のいい英二が羨ましいよ」
「俺は不二のが羨ましいけどな。自分の部屋ちゃんとあるし。鍵、かけられるし」
「かけないけどね」
「それは家族が勝手に入ってこないからだろ?俺んとこ、容赦ないもん」
「僕は嬉しいけどな、裕太が勝手に入ってきたら」
「……不二はさぁ」
「なに?」
「本当に地球人?」
「なんで?」
「時々、宇宙人みたいに思えるときがある」
「え?今の会話で?」
「違うけど。弟くんも言ってた。本当に不二の弟なのかって」
「ふぅん。裕太がねぇ。……でも、僕と姉さんは似てるよ?」
「顔はね」
「いや、中身も」 「うっそ」
「ほんと。だから多分、これ、お土産に持って帰ったら喜ぶかな」
「これって、それ?」
「そう。これ」
「宇宙船の一部?」
「かもしれないモノ」
「……本気で言ってる?」
「ううん。冗談で言ってる」
「っ。不二ぃ!」
「あっはははは」
(2009/9/24)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送