65.脱☆人間(蔵コエ)
「ふぅ」
「お帰りなさい」
「なっ。蔵馬!?お前、どうやってここに」
「オレは元盗賊ですよ?」
「元、か」
「ええ。元、です」
「で。何の用だ?」
「その前に。大人の姿になってもらえませんか?」
「嫌だ」
「なんで」
「ワシはなぁ。さっきまで人間界にいたんだぞ?人間の体に憑依しておったんだ。少しはリラックスさせろ」
「ああ。あれ、造り物だったんですか」
「その方が霊力を抑えられるんでな」
「でも良かった」
「何がだ?」
「危うく、生身じゃない貴方を抱くところでした」
「っ。お前、そんなことしようとしとったのか?」
「ええ。いけません?」
「当たり前だ!ワシを誰だとおもっとる!」
「コエンマ様」
「そうだ。ワシはコエンマだ」
「だから?」
「は?」
「そう。確かに貴方はコエンマ。閻魔大王の息子です。でもだから、それがなんだって言うんです?閻魔大王の息子を抱いたら、罪に問われるんですか?」
「…………」
「そりゃあ、無理矢理なら問われるかもしれませんが。合意の上なら、ねぇ?」
「ちょっ。誰も合意などしとらんだろうが。放せっ」
「放しますよ。だってそんな姿じゃ、やる気が失せる。だから、ね、コエンマ様?そうすね、貴方だけがっていうのもなんですから。オレも妖狐になりますから。昔みたいに。どうですか?」
「……ふっ」
「ふ?」
「ふざけるなっ!このエロ狐!とっとと人間界へ帰れっ!!」
(2009/9/16)
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