72.俺のものは俺のもの。お前のものも、俺のもの(星はる)
「ただいまっと」
「……お前。いつも誰もいない部屋にそんなこと言ってるのか?」
「おわっ。天王。お前なんでここにいるんだよ!」
「何でって。僕がここに来る目的なんて決まってるだろ?」
「つぅかお前、どうやってここに入った」
「スペアキー」
「……渡してねぇよな?」
「作った」
「いつ!」
「いつだったかな。お前が眠りこくってる間に」
「お前……」
「別にいいだろ。それとも、他に連れ込む奴でも居るのか?ああ、連れ込みたい奴はいるのか」
「うるせぇよ。いいから、出せ」
「何を?」
「スペアキー」
「何で。これはお前に貰ったんじゃない。僕が自分で作ったんだ。返すという言葉は使えないな」
「お前っ。ここはオレの部屋だぜ?」
「けど鍵は僕のものだ」
「……だったらお前んとこの鍵寄こせよ」
「何故?」
「不公平だろ!」
「断る」
「お前っ。何様のつもりだ?」
「僕のものは僕のもの。お前のものは、僕のもの」
「……何だそれ」
「ジャイアニズム」
「はぁ?」
「お前。幾ら地球に来て日が浅いからって、これを知らないのは余りにも……」
「んだよ」
「まぁいいか。どうせすぐに何処かの星に行くんだろうし」
「……淋しいか?」
「まさか。淋しいのはお前のだろ」
「俺が地球を出て行く時はプリンセスを見つけた時だ。プリンセスがいるのにどうして淋しくならないといけないんだよ」
「僕なら、淋しいからさ」
「……お前、今淋しくないって」
「お前じゃない」
「……だったらどうしてここに居んだよ」
「淋しいのは体。今は、な」
「可愛げのねぇヤツ」
「あったら気持ち悪いだろ」
「…………」
「何だよ」
「……何でもねぇよ」
(2009/10/27)
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