204.親の顔が見てみたい(外部ファミリー)
「約束だよ、はるかパパ」
「ああ。約束。来週はほたるに付き合うから」
「ゼッタイにゼッタイだよ?」
「絶対に絶対。ほら、指切り」
「うんっ。じゃあ、はるかパパ、みちるママ、いってらっしゃい」
「いってきます」
「……いってきます」

「ほたるには困ったもんだな」
「…………」
「みちる?」
「見た?私を見送る時のあの子の目」
「いや。見てないけど。どうかしたのか?」
「女の目をしていたわ」
「そりゃあ女の子なんだから」
「そうじゃなくて。……あの子、私に含み笑いをして見せたのよ?あなたが結局、来週ほたるに付き合うなんてことにしたから」
「まさか」
「時々怖いわ。頭がいいとか、大人びているとか。そういうのとは次元が違う気がするの。はるかを取られそうで、怖い」
「何の心配かと思えば。あのさ。君とほたるが僕を取り合っても、最終的な決定権は僕にあるってこと、忘れてもらっちゃ困るんだけど?」
「そんなこといって。来週はほたると」
「来週はみちる、コンサートの打ち合わせだろ?」
「……そうだけど」
「送迎はするよ。僕は君専属の運転手だからね」
「そうだけど」
「みちる」
「あーあ。親の顔が見てみたいわ」
「見てるだろ?」
「土萌氏じゃなくて」
「亡くなったほたるの母親?」
「に、似たんでしょう?きっと」
「……なぁ、みちる」
「なあに?」
「そんなに親の顔が見たいならさ、君のその鏡を覗いてみるといいよ。そこにはきっと、今のほたるの元となってる人がいるはずだからさ」
「はるか、それって――」
(2010/02/03)
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