215.鳥か?飛行機か?いや、奴だ(蔵鵺)
「何だ、ありゃ」
「さぁな。鳥だろう」
「鳥、にしては、でかくないか?」
「だったら妖怪(お仲間)なんじゃないか?まぁ、あんな無防備に姿をさらしてるんだ。利口ではないだろう」
「じゃあ殺るのか?」
「警備だけじゃ暇だしな。たまには腕が鈍らないよう何かを狩らないと」
「そうだな……ん?」
「なんだ?」
「何か、降ってくる」
「まだ撃ってないぜ?」
「そうじゃなくて、あいつが今何か投げ……うわああああっ!!」

「完了。出ていいぜ、黒鵺」
「……お前、またこんなに派手にやって」
「名を上げるんだろ?オレ達がやったって痕跡を残さないと意味が無い」
「だからってな。……というか、何だ、その翼は」
「浮揚科の植物のものだ」
「なら、今撒いたのは?」
「オジギソウに手を加えたものだ。過度に妖気を送り込んで投げると……」
「うわっ」
「対象物にぶつかった衝撃で、爆発する。ただ、この種子を作るには、元となるシマネキソウに鱈腹火気を喰わせてやら無ければならないが」
「お前、そんなの、いつの間に」
「お前がことの後で気絶している間にだ」
「べっ、つに俺は気絶してるわけじゃねぇだろうが。寝てるだけだぜ」
「まぁそういうことにしといてやろう」
「えっらそうに」
「何か言ったか?」
「言っとくけどな、蔵馬。俺のほうが先輩なんだぜ」
「知っている」
「だったら」
「だからなんだ?」
「……お前な」
「魔界では強さが総てだ。それとも、オレを拒んでみるか?」
「って、おい。やめろよ、こんな所で。早く盗るもん盗らねぇと、次の警備が」
「来たらまたこいつで吹き飛ばせばいい」
「……お前な」
「なんだ?抵抗しないのか?」
「…………」
「だから、オレはお前より偉いんだ」
「言ってろ」
(2010/02/16)
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