222.名前順(不二ヤマ)
「……何、この分け方」
「こら、不二クン。駄目ですよ、見たら」
「こんな所でランキング戦の対戦表書いてる大和くんが悪いよ。大体、部活引退したんでしょ?」
「引退はしましたが。引退後最初のランキング戦は3年の部長が決めることになってるんですよ。新部長はこれから部全体を見るわけですから。対戦表を考えるのはこの次から」
「でも、大和くんの分け方も結構適当じゃない?2年でそこそこ上手い奴と手塚くん以外は名前順に振り分けてるだけじゃない」
「あ。バレました?」
「ていうか、あからさま」
「クラスがごちゃ混ぜになっているので、気付かれないかと思ったのですが」
「対戦表に学年やクラスまでは書かないでしょ。すぐにバレるよ」
「……というか、不二クン、さっきさらりと凄いこと言いましたね」
「何?」
「2年でそこそこ上手いヤツとか」
「手塚くんに比べたら、上手いといえる奴なんていないよ」
「まぁ、そうかもしれませんけど」
「でも僕も名前順なんて、ショック」
「そこそこ強いと思ってました?」
「……手塚くんと大和クンの次くらいにはね」
「まぁ、技術としてはボクよりは上かもしれませんね。潜在能力も」
「じゃあどうして」
「君にはまだ、足りないものがありますから」
「なに、それ」
「さあ。なんでしょう」
「教えてくれないんだ」
「口で言ってしまっては、解決になりませんから」
「気付かなかったらどうするの?」
「そこまでの実力だったということでしょう」
「酷いなあ」
「……不二クン」
「ん?」
「頑張ってください。ボクの分も」
「……うん」
(2010/02/06)
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