223.コンテスト(はるみち)
「みちる、どういうことだよ!」
「あら。何が?」
「何がじゃないだろ。これっ」
「ああ。ミスコン。はるか出るの?」
「とぼけるなよ。みちるが応募したんだろ?」
「私応募なんかしていなくてよ」
「嘘吐くなよ」
「嘘じゃないわ。きっと男の子たちが面白がって応募したんでしょう」
「みちる。いい加減にしないと、怒るけど?」
「あら。私を怒れるの?」
「……みちる」
「観念して出場したら?」
「この写真」
「え?」
「どう考えても、みちるが撮った写真としか思えないんだよなぁ。僕の部屋だし。それに、君の前でしかこんなリラックスした姿を見せてないはずなんだけど?」
「…………」
「みちる」
「……ごめんなさい」
「ったく。どうしてこんなことしたんだよ」
「だって」
「だって?」
「そうしないと、私が出場しないといけなかったから」
「なっ……。そのために僕を?」
「ええ」
「そいつは……酷いな」
「ごめんなさい」
「……まぁ、いいか。いや、よくないけど」
「ねぇ、はるか。折角だから出場しましょう?」
「あのね、みちる。それは他の誰が言える科白でも、君だけは言えない科白だよ」
「はるか。ね?」
「…………」
「駄目?」
「……はぁ」
「その溜息は?」
「ただし。自分のまいた種だからな。コンテストの結果、どうなっても、僕は知らないぜ?」
「はるか、それって――」
(2010/02/24)
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