225.救世主(外部ファミリー)
「救世主」
「みちる?」
「この子の、ほたるの寝顔を見ていると、何だか本当に救われた気になるわ。戦いの日々に戻ってしまったというのに」
「…………」
「はるか?」
「そう。そう、だな。確かに、ほたるを見ていると平和を感じるよ。戦いの中にあっても」
「それならどうしてそんな表情(かお)するの?」
「少し、胸が痛むだけさ。僕たちは、こんな子を殺そうとしたんだなって」
「はるか」
「それなのに。ほたるがもう地球に害を及ぼさないと知った途端、手のひらを返したように。……いや、これはあくまで僕の話だけど」
「私も同罪よ、はるか。……でも、仕方がないわ。一度殺そうとしたからって、いつまでもそんな気持ちを抱いている方が可笑しいもの。今はもう、殺意がないのなら。私たちはそれでいいじゃない。それに対してどうするかは、ほたるが決めることだわ」
「……みちる」
「それに。こんなに可愛い寝顔を見て、癒されない方がおかしいわ。ねぇ、はるか。素直に束の間の倖せを味わいましょうよ。折角、孤独を分かち合える仲間が見つかったのだもの」
「そうだな。……なぁ、みちる。僕たちは、ほたるの救いになれるかな?」
「え?」
「戦士という宿命を背負ってしまった苦しみを。取り除くことは出来なくとも。少しでも軽く」
「出来るわ。私たち4人が、家族になれば。きっと。……はるか」
「ああ、そうだな。信じよう」
(2010/02/10)
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