227.イメージトレーニング(不二ニオ)
「仁王先輩、何してるんスか?」
「イメージトレーニング中じゃ。話しかけんな」
「へぇ。イメージトレーニングね。そんなんで強くなれんスかね。オレは何事も実践に勝るもんはないと思うけど」
「仕方がなかろう。わしのイリュージョンのトレーニングを外でやっとったら変人に思われるダニ」
「ああ。そのトレーニングね。で。今は誰になろうとしてるんスか?」
「……不二周助」
「……へぇ。どうして。負けたのが納得いかねぇって?」
「弱点が見つからないんじゃ、本人になりきるしかなかろう?」
「なるほどね。でもきっと、それじゃ本人には勝てないっスよ。だってオレ、無我になってあの人にあの人の技ぶつけたけど勝てなかったし」
「それもそうじゃの」
「……認められるとなんかムカつくな」
「それでなんか用か?」
「ああ。そう。用はあったんスけど……。不二さーん。なんか仁王先輩、取り込んでるみたいっス」
「なっ……。不二じゃて!?」
「そ。不二周助。仁王先輩に用があるって来たんスけど。オレが借りちゃっていいっすよね?」
「やめい。わしは暇ダニ。赤也は引っ込んでんしゃい」
「は?ちょっ、仁王先輩!」


「それで?いい加減、僕の弱点は見つかった?」
「……まだ無理らしいぜよ」
「そう。じゃあ今日も一晩中僕を観察するかい?」
「…………」
「仁王クン?」
「あんな状況で観察なんて出来るわけなかろう?」
「どうして?折角見下ろせる姿勢にしてあげてるのに」
「……は」
「は?」
「激し過ぎるんじゃ!」
「じゃあ止める?」
「う……」
「それとも、激し過ぎるのを止める?」
「…………」
「仁王クン?」
「大丈夫」
「え?」
「激し過ぎても大丈夫なように、ここんとこ毎晩イメージトレーニングをしとるき。大丈夫ダニ」
「……それってオ」
「大丈夫ダニっ!」
「……まぁ、いいか」
(2009/12/23)
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