228.高見の見物(外部ファミリー)
「だってほたるのほうがはるかパパのこと好きだもん!」
「その想いも、はるかに届かなければ意味がなくてよ?」

「……よくやるよなぁ、二人とも」
「高みの見物ですか?原因はあなたなんですよ?」
「そんなこと言われたってさ。僕の手の及ぶところじゃないだろ、あれは」
「そうでしょうか」
「どういう意味さ」
「はるかがはっきりと態度で示せばいいんじゃないですか?」
「何を」
「どちらが好きなのかを」
「……あのさ。それって結構大人気なくないか?」
「それはみちるを選ぶということですか?」
「ほたるはね、ほんと。家族っていうか、娘みたいなもんだから」
「随分と若い父親ですね」
「あのね」
「けれど、あと何年かしたら年齢差なんて。そんなに気にならなくなるかもしれませんよ?」
「……脅しのつもりか?」
「別にそんなつもりはありませんけど」
「同い年だろうがなんだろうが、同じことだよ。ほたるが僕にとっての娘ではなくなったとしても、僕にはみちるしかないんだ」
「それを、ほたるに言ってあげればいいんじゃないですか?大人気ない言い方ではなく」
「……それは、難しいな」
「いいんですか?そんな簡単に白旗をあげてしまって。あなたが上手くほたるを説得しないと、みちるがどんどん大人気なくなっていきますよ?」
「それは困る。まあ、大人気ないみちるも可愛くていいんだけど」
「どさくさに紛れて惚気ないでください」
「別にそんな気はな――」
「あーっ、せつなママ、ずるーい。何ではるかパパと二人っきりで喋ってるのー?」
「ほんと。私が少し目を離した隙に。二人でこそこそと何をしているのかしら?」
「……なんか、飛び火してるみたいだけど?」
「ちょっと、二人とも。落ち着いてください!はるか。あなたは落ち着いて見てないで何か言ってあげてください」
「……無理だよ」
(2010/01/07)
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