234.テイクアウト(アクタカ)
「はい、亜久津」
「あんだよ、これ」
「お土産。優紀ちゃん毎日忙しいだろうからさ。……オレの作ったものでよければだけど」
「……この分は、金、払わねぇぞ」
「いいよ。オレからのサービス」
「しらねぇぞ、怒られても」
「誰に?」
「お前の親父さんにだよ。売り上げになんねぇだろぉが」
「じゃあお金払ってくれるの?」
「だから作んなってことだよ、こういうの」
「気にするなよ。親父になんか言われたら、オレが金払うから」
「……んだよ。それじゃあ俺がなんか」
「なに?」
「……カッコつかねぇじゃねぇの」
「何で恰好つかないと駄目なの?」
「あ?」
「そんな何処ででも恰好つけてたら疲れるだろ?だからオレの前で恰好つける必要なんてないんだよ。な?」
「だったらお前も俺に気ぃ使うんじゃねぇよ」
「へ?」
「気ぃ使ってっからこんなことすんだろ?俺にはそんなもんいらねぇんだよ」
「……じゃあさ、亜久津」
「あ?」
「これじゃなくて、オレをお土産に持ってってくれないかな?」
「は?」
「なんだよ。亜久津が気を使うなって言ったんだろ?」
「だからそれがどうして……」
「だってオレ、本当は亜久津んち行きたかったから」
「……お前」
「駄目かな?」
「……しょうがねぇな。持ち帰ってやるよ、ほら」
(2010/01/05)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送