236.右の頬を打ったら、左の頬も打て(星はる) |
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「って。何でお前っ……から!何で今ひっぱたいた?しかも二回も!」 「ほら、よく言うだろ?右の頬を打ったら、左の頬も打てって」 「バカか!それを言うなら、右の頬を打たれたら、左の頬も差し出せだろっ」 「よく知ってるな。異星人のくせに。それ以前に、馬鹿のくせに」 「うるせぇよ。つぅか馬鹿じゃねぇよ」 「馬鹿だろ?赤点」 「っ。なんで知っ」 「やっぱりな」 「……カマ、かけたのか?」 「テーブルに、お前の仲間のノートがあったからな。追試対策だろうと思っただけさ」 「…………」 「勉強で忙しいなら、帰ろうか?というか、いいから、どけ」 「そうだよ。だからお前、何でオレのことひっぱたいたんだよ」 「お前が僕を押し倒したからに決まってるだろ?」 「お前っ……。そのつもりで来たんだろ?」 「する気で来たが、お前に押し倒されるつもりで来たわけじゃない」 「はぁ?」 「僕が押し倒すか、お前を誘い入れるかのどっちかだ。お前に主導権なんてあるわけないだろ?」 「…………」 「さて。どうする?落第が嫌なら、僕はここで帰ってもいいけど」 「……オレに主導権はないんだろ?だったらお前が決めろよ」 「なら、続けるぜ?僕は別に、お前が落第しようが何しようが一向に構わないからな」 「なめんな。数時間の遅れくらいなら、すぐに取り戻せるって」 「数時間?……じゃあ、一日だったらどうだ?」 「それは流石にやべぇかな。って。え?」 |
(2009/12/22) |
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