244.タイムリミット(はるみち)
「僕たちには、時間がない」
 はるかの呟きに、そうね、と返す。
 だけどその意味するところはきっと違う。
 こんな考え、していることを知ったらはるかはきっと怒るわね。
「でも。大丈夫よ、きっと」
 固く握られた拳を包み込むようにして触れる。すると解いた指が私の指に絡まった。
「そうだな。きっと大丈夫だ」
 強い瞳。月に向かうその言葉には、何があっても使命を全うするという意志が見える。
 その瞳をずっと見つめているために。いいえ、その瞳を私のものにするために。残された時間はあと僅か。
 使命を果たす、それまでに。この想いを、貴女に。
(2010/02/13)
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