246.LOVE FOOL(蔵飛)
「利用してるだけだから、やめたほうがいいそうです」
「なに?」
「コエンマとの会話。気になってたんでしょう? 邪眼で声まで聞くのは、そうとう疲れますから。滅多にはやらないんでしょう?」
「ふん」
「どうもコエンマは、オレがあなたとこういう関係になったことが気に入らないらしいんですよ。……不思議ですよね。仮にオレがあなたと別れたとしても、コエンマとどうなるっていうわけでもないのに」
「それは別れてみなければ分からないだろう?」
「分かりますよ。まぁ、別れませんけどね」
「利用されていたとしてもか?」
「ええ。それでも、オレは別れません。それで構わないと思ってますから」
「なんだと?」
「オレにどんな利用価値があるのかは分かりませんが。それでも、価値のある間は、偽りでもあなたとこうして愛を交わすことが出来る。だから、利用出来るものならして欲しいくらいなんですよ」
「……自惚れるな」
「えっ?」
「貴様に利用する価値などない。偽るような面倒をするほどの価値も、だ」
「……飛影、それって、つまり」
「何だ?」
「……いいえ。なんでも」
「なんでもないなら、にやけるな」
「だって」
「だからなんなんだ、一体」
「……嬉しいよ」
「は?」
「それだけです。さ、愛を交わしましょうか。偽りのない、ね」
「……貴様」
(2011/04/04)
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