255.昔の恋人の結婚式(蔵飛)
「どうしてこんな所で見ているんだ?」
「……飛影」
「喜多嶋……とかいったか?あの時の女だろう?」
「ああ」
「招待状とやら、来ていたんだろう?」
「見たんですか。……悪趣味、ではないか。あなたはいつもそうですもんね」
「…………」
「睨まないで下さいよ。そうでしょう?」
「……フン。で?」
「はい?」
「どうして出席しないんだ?隠れて見ているのに。会いたいんだろう?」
「見てみたかっただけですよ。オレが無理矢理捻じ曲げた彼女の運命がどうなったのかを。会いたいわけじゃない」
「ほう」
「なんですか、その目は」
「別に」
「会ってもいいですけど。でも、だからって何もないですよ。あの時もオレは。断るつもりでいたんだ」
「断る?何をだ?」
「……ああ、知らないのか。オレね、あの時、喜多嶋に告白されていたんですよ」
「ほう」
「人間としてみれば同い年ですが、まさか、あんな子供。だからといって下手に断ればオレが印象に残ってしまう。だからどうしよかって悩んでいたところだったんです。そこに丁度よくあなたや八つ手が現れてくれた。そういうことです」
「フン」
「……まだ納得してなんですか?」
「別に」
「彼女が倖せなら……。今度はオレが倖せにならないと。ね、飛影」
「何故俺に振る?」
「……帰ろうか、飛影」
「フン」
(2009/12/9)
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