256.短気は損気(蔵黄泉)※過去
「派手にやったな」
「そうか?」
「何もここまでバラバラにしなくてもよかったと思うが」
「短気は損気。それを教えてやっただけだ」
「教えてやった?死んでから知ったってもう意味がないだろう」
「違う。こいつらにじゃない。お前にだ」
「俺に?」
「黄泉。お前は瞬間的な判断で行動を起こしすぎる。時にはそれも必要だが、裏の手を相手が持っていた場合は、甘く見ているとこうなる」
「……そんなこと、お前なんぞに言われなくても分かっている」
「分かってないさ。分かっていないからお前は常に先手を取ろうとする」
「後手に回ればその分相手に攻撃のチャンスを与えることになる。違うのか?」
「カウンタというものがこの世にはある。お前は相手の攻撃を止めるか避けるかしか知らない。受け流すことを覚えろ」
「受け流す?」
「そうだ。例えば――」
「っ。おい、蔵馬、今はそんなっ……ん……」
「ほら。短気を起こすから第2波を食らうんだ」
「……それなら、お前ならどうしたというんだ?」
「オレか?オレならそのまま形勢を逆転させてお前を食ったさ。手本、見せてやろうか?」
「…………」
「どうした?」
「……その手には乗らん」
「ふ」
「なんだ?」
「多少は考えるようになったじゃないか」
「っ」
(2009/12/13)
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