258.一本勝負(不二真)
「この俺に一本勝負を挑むとは、いい度胸だな、不二」
「そう?まぁ、いいから。ちょっと付き合ってよ」
「ただでさえ体格差があるというのに、体育の授業で少しやったからといって、俺に勝てると思うなよ」
「剣道ならリーチの差があるけど、柔道なら相手の反動さえ利用すれば体格はそこまで関係ないよ」
「上手ければ、の話だ」
「ねぇ、真田。知らないの?僕の得意技がカウンターだって。相手の力を利用することに関しては、他の人よりは上手いつもりだよ」
「それはテニスでの話だろう。百歩譲ったとしても、球技の話だ。総てのスポーツを一緒くたにするな」
「何だよ。真田だって居合いの要領でテニスしてくるくせに」
「……それは。総てを一緒くたにしているのとは違う」
「ま、いいけど。さぁ、やろう。手加減はなしだからね」
「自分が言い出したことには責任を持てよ。受身を上手くとれずに怪我をしても、俺は知らんぞ」
「大丈夫、大丈夫。投げ技で一本とろうなんて思ってないから」
「なに?」
「寝技だよ、ね、わ、ざ」
「不二」
「ああ、でも、大外刈りとかマスターした方が、君を襲いやすいのかな?そうだよなぁ。一度ベッドに入っちゃえば、後は拘束することなんて容易いし。よし、変更」
「不二、貴様、柔道をなんだと思って……」
「ん?君を襲うための方法。ちなみに、一本とったらそのままなだれ込む予定だから。嫌なら本気で僕の相手したほうがいいよ」
「……誰が嫌なものか、たわけが」
「あ」
(2010/02/21)
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