262.一番怖い人にミスを犯したことを報告しにいく(不二忍)
「ちょ、それは勘弁してぇな」
「何で?」
「自分充分楽しんだやろ? それなのに」
「そんな条件、言われてないし」
「だからって。跡部に言わんでも」
「まさか跡部も、自分と僕の仲をどうにかさせるために送り込んだ奴と僕がやっちゃうなんて思わないよね」
「せやから。な? こんなんばれたら、俺殺されてしまう」
「だったら殺されれば?」
「酷いなぁ。それが数分前まで熱い口付け交わしてた奴のいうことか?」
「なんだったら、今交わしてもいいけど?」
「……っ」
「ほら、健全な男の子ってさ、心は冷めてても体は容易く熱を持つじゃない。ねぇ?」
「その前に、健全な男は同じ男に欲情したりせぇへんと思うけど?」
「じゃあ忍足くんは不健全なんだ」
「それはっ。不二が無理矢理」
「僕が無理矢理? それじゃあ、なに?あれは演技だったんだ。僕を満足させるための」
「えーっと、いや、それは、あー……」
「にしても、跡部も跡部だよね。僕が好きなら自分からくればいいのに」
「跡部が自分から告白すると思うか?」
「でも、目の前に現れてくれたら。君みたいに抱いてあげることくらいはしたんだけどな」
「……節操ないんか」
「やさしさだよ」
「やらしさの間違いと違うか?」
「……まぁ、それでもいいか」
「いいんかい」
「ふ。いいね、そのつっこみ。さすが関西人」
「おい、不二。ふざけるのもいい加減にせぇよ」
「怒る? 僕を? いいの? 折角跡部に君のミスを黙っておこうと思ったんだけどな」
「ほんまか?」
「うん。その代わり、一つ、約束」
「な、んや?」
「受験が終わって暇になったらさ。また、しよう?」
「おまっ……。まぁ、ええか。その代わり、跡部にはぜーったい秘密やからな」
「うん。僕は、ね」
「え? あ。不二っ、お前、キスマーク……。どうすんねん、これ」
(2010/05/11)
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