264.殺人鬼に追われる心境(星はる)
「天王、こっちだ!」
「…………」
「行ったか?」
「ああ」
「なんだよ」
「手。痛んだけど」
「っ。……にしても、殺人鬼に追われてるような気分だな」
「そうか?まぁ、お前にとっては在る意味、命をとられるのと同じか」
「それはお前にも言えることじゃねぇの?」
「僕はどんな噂を立てられても、レースの結果が総てだ。人気商売のアイドルと一緒にしないで欲しいな」
「そりゃあ、そうかもしんねぇけど。いや、そうじゃなくて。オレたちのこと。みちるさんにバレたらって話」
「…………」
「あ。おい!何処行くんだよ」
「帰る」
「はぁ?」
「その気がなくなった。この調子じゃ、きっとお前のマンションの前にもマスコミが張ってるだろうしな」
「…………」
「構わないだろ?それとも、不満か?」
「不満なわけねぇだろ。オレだって、半日仕事で疲れてんだ。帰ってくれりゃそれにこしたことはねぇよ」
「だろうな」
「……ばやろ」
「何か言ったか?」
「何でもねぇよ。さっさと帰れ」
「言われなくても、そうする。……じゃあ、またな」
「――え?あ、ああ。また、な」
(2010/03/14)
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