276.一つ屋根の下(はるみち)
「ねぇはるか。貴女最近引き篭もり気味なんじゃなくて?」
「そう?」
「そうよ。前は目的が無くても一緒に出掛けたのに」
「それは君と会うための口実が欲しかったからさ」
「今は?」
「口実が無くても一緒にいられる」
「だから手を抜くの?」
「別に手を抜いてなんかないさ。ただ、今は」
「なあに?」
「君とこうして、一つ屋根の下にいれる倖せを噛み締めたいだけさ」
「はるか……。なんていって、たんに寒いから外に出たくないだけなんじゃなくて?」
「…………」
「まさか図星なの?」
「みちる、愛してる」
「……もう。まぁいいわ。そうね。春が来るまでは、この倖せに浸っていましょう」
(2010/03/05)
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