285.馬鹿のひとつ覚え(蔵飛)
「飛影、愛してるよ」
「馬鹿の一つ覚えみたいに同じことを何度も繰り返すな。聞き飽きた」
「そう。飛影は聞き飽きたんだ。でも、オレは言い飽きてないから」
「いい加減、飽きろ」
「伝わったら、きっと飽きますよ」
「……だったら、その口を塞いでやろうか」
「あなたの唇で?」
「恥ずかしい奴だな。それ以上妙なことをいうと、本当に喋れなくするぞ」
「出来るなら、ご自由に」
「……貴様っ」
「愛してるよ」
「…………」
「あれ。オレの口、塞がないんですか?それとも、やっぱりオレの戯言を聞きたくなった?ねぇ、ひ……」
「……ふん。望み通り塞いでやった。分かったら、もう言うな」
「どうして。こんな風に口を塞がれてオレが黙ると思うのかが分からないな。あなたからキスをしてくれるのなら、オレは何度でも言うよ」
「だったら俺は、お前が飽きるまで何度でもその口を塞いでやる」
「……飽きるまで、か。じゃあきっと、一生無理ですね。伝わらない限り、飽きませんから、オレ。ねぇ、飛影。愛して――」
(2010/02/01)
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