294.問題児(はるみち) ※中学時代
「はるかって、優良生徒なんだか問題児なんだか分からないわね」
「何だよ、それ」
「セーラー服を着たのは入学式だけで、後はずっとジャージで過ごしてるんでしょう?でもそれ以外のことはしっかりしているし、成績だっていい方だし」
「……何で、君がそんなこと知ってるんだよ」
「そんなの。調べたからに決まっているわ。だって、私とはるかは同じ学校ではないんですもの」
「それは分かるけどさ。どうしてそんなこと調べる必要が在るんだよ」
「貴女が学校でどんな風なのか。知りたかったの」
「そんなの僕に直接聞けばいいだろ」
「勿論、はるかからも聞くつもりよ。でも自分で思っていることと表面に出ることってまた違うから」
「なんだか、ストーカーみたいだな」
「迷惑、だったかしら」
「……前ほどは、迷惑だとは思ってないけど。でもどうしてそんなに僕のことを知りたがるんだ?」
「それは……」
「それは?」
「ふふっ」
「なんで、そこで笑うんだよ」
「初めてね」
「何が」
「貴女が私のことを聞いてくるの」
「そう、だったかな」
「ええ。少しは、興味を持っていただけたってことかしら?」
「別に、君に興味がないわけじゃ。……って。そうじゃなくて。だからどうしてそんなに僕のことを知りたがるのかって。今はその話をしてるんだけど」
「そんなの、決まってるじゃない」
「何?」
「分からない?」
「何だよ」
「じゃあ、考えて」
「は?」
「私の事、もっと知って。そうしたらきっと、どうして私が貴女のことを知りたがっているのか、分かると思うから」
「……なんだよ、それ」
(2010/03/21)
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