298.ガチンコ(はるみち+うさ)
「ねぇ、はるかさん」
「なんだい?」
「はるかさんとセイヤって、本気で戦ったらどっちが強いんですか?」
「そんなの、僕に決まってるだろ」
「それって、変身してない姿でも?」
「当たり前じゃないか。僕があんな奴に負けると思うかい?」
「うーん。……でも、そうはいっても、はるかさんは女の人で、セイヤは男の人なんですよね」
「あら、うさぎ。はるかはそこらへんの男性になんか負けなくてよ」
「みちる。そこらへん、じゃないさ。大抵の男にだって、僕は負けないよ」
「たいてい。それって、全部じゃないんですよね?」
「まぁ、その道のプロなんかには、どうしたって敵わないだろうな」
「そのみち」
「格闘家とか、まぁ、そういう奴らだよ」
「そうなんですか」
「手合わせしたことがあるわけじゃないから、はっきりとは言えないが。まあ、勝てないんじゃないかな」
「そうかしら」
「えっ?」
「みちる?」
「私は。はるかが勝つって信じていてよ?」
「本気?」
「勿論。だってはるかはいつか言ったわ。私の応援があれば、相手が誰だろうと、絶対に負けないって。もしかして、それはスピード競技に関してだけのことだったのかしら?」
「へぇぇー。はーるかさん、そんなこと言ってたんですかー」
「……そ、んなこと。言ったかな」
「あら。忘れてしまったの?
「……えーっと。でも、どうして急にまたそんなことを?」
「えっと。どうしてだっけ。……あ!そう。この間セイヤの前ではるかさんの話してたら、セイヤ、絶対はるかさんよりも自分の方が強いって言ってて。だから」
「そんなの、アイツの強がりに決まってるじゃないか。というか、お団子頭、またアイツに会ったのか!?」
「えっ?あ。えーっと……」
「はるか。もういいじゃない。今は衛さんもうさぎの傍にいるんだから」
「けど……」
「はるか。……うさぎ。はるかの言うことは気にしないで。大丈夫よ。何かありそうなときは、はるかがうさぎを守るから」
「何か。何かって、何があるんですか?」
「……おいおい。今更そんなこと。まさか、本気で言ってるんじゃないだろうな?」
「え?」
「本気、みたいね」
「危ないとかなんだとかって、それ以前の問題だな。少しだけ、アイツに同情するよ」
「……そうね」
「えっ?えっ???」
(2010/05/01)
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