299.拡大解釈(外部ファミリー)
「あ。はるかパパ。おはよー」
「おはよう、ほたる。みちる、おはよう」
「なに言っているの、はるか。私達、まだおやすみも言ってなくてよ?」
「あれ?そうだっけ」
「……みちるママとはるかパパ、ずっと起きてたの?」
「ええ。だってはるかが寝かせてくれないんだもの」
「なんだよ。みちるだって満更でもな――」
「二人とも。止めてください、朝からそんなこと」
「あ。せつな。おはよう」
「おはようじゃありませんっ!朝から。しかもほたるの前で。なに言ってるんですか、あなたがたはっ」
「せつなさん、朝からそんなに怒ると体によくなくてよ?」
「怒らせるようなことをしているのは誰ですかっ」
「せつなママ、怒ってるの?」
「あれはどう見たって怒ってるだろう」
「なんで?」
「さぁ。どうしてかしら」
「ねぇ。何でせつなママ、怒ってるの?」
「それは……」
「ほたる。余りせつなをいじめてやるなよ」
「えっ?」
「それ、あなたが言えたセリフではないですよね?はるか」
「ごめん、せつな。寝惚けてたんだ。さっきの君の一喝で目が覚めたよ」
「はるか」
「もう、朝からほたるの前では言ったり、しないから」
「分かってくれればいいんです。分かってくれれば」
「はるか……」
「何だよ、みちる。そんな顔するなよ」
「だって」
「僕の言葉、聞いてなかった?朝からほたるの前で、って言ったんだ」
「えっ」
「つまり、朝でもほたるの前ででもなければオーケィってことだよ。そうだろ?せつな」
「……はるか、さん?」
「だからさ、みちる。こんな所でぼやぼやしてないで、さっさと朝食にしようぜ。テキパキ動いて、朝なんて時間、この家から早く追い出さないと」
「そう、ね。……ほたる、いらっしゃい。朝食の支度しましょう?」
「うんっ」
「ちょっと、みちる。はるか、何言ってるんですか、あなたは!」
「なにが?」
「何がって。私は」
「君が言ったんだぜ、せつな。朝からほたるの前で、って。それとも君は、僕とみちるが恋人でいることすら止めろっていうのかい?」
「……それは」
「さーってと。朝以外、ほたるの前以外ならって君から許可も貰ったことだし。とりあえずは、さっさとほたるを送り出すとするかな」
「ちょっと、はるか。待ってください、話はまだ――」
(2010/05/08)
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