305.愛と希望と勇気とか、素で言う人(はるみち)※S前半
「……セーラームーンか」
「気になるの?」
「あんな青臭いこと言ってて、よく戦士として今までやってこれたなと思ってさ」
「愛とか希望とか勇気だとか?」
「そう。そんなもので世界を救おうだなんて」
「甘い?」
「……何だよ」
「勇気がないと戦えないわ。それは貴女が一番良く分かっているんじゃなくて?」
「…………」
「そして私たちは、僅かな希望に賭けて戦っている。そうでしょう?」
「…………」
「それに。私は貴女のいるこの世界を守るために戦士になったわ。これってきっと、愛のためよ」
「……感化、されたのか?」
「そういうんじゃないわ。でも、わざわざ自分を卑下するようなこと言わなくてもいいと思うの」
「別にそんなつもりはないさ」
「本当は、セーラームーンのいうこと、信じたいんでしょう?」
「僕は、別に」
「それとも。はるかが信じたいのは月野うさぎの方かしら?」
「……時々、セーラームーンにあの子の姿が重なって見えることがある」
「否定は、しないのね」
「何。妬いたの?」
「そうよ。いけない?」
「みちる」
「でも、いいわ。誰かのこと、私の前で考えるのなら」
「……フツー、逆じゃないのか?」
「口にしないで溜め込むほうが、想いは募るものなのよ」
「へぇ。なんか、よく知ったようないいかただな。そんな経験でも、あるのかい?」
「……さぁ?どうかしらね」
「気になるな」
「なぁに。妬いたの?」
「……別に」
「素直じゃないわね」
「口にしないほうが、募ってくんだろ?」
「――えっ?」
(2009/12/30)
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