310.もったいないオバケ(不二ヤマ) |
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「これ、いらない」 「好き嫌いはいけませんよ、不二クン」 「僕、これから成長期だから。その時になったら、ちゃんと食べるよ」 「でも、食べ物を残すと、もったいないオバケがやってきますよ?」 「もったいないおばけ」 「そう。食べ物を粗末にしてもったいな〜い、もったいな〜い、って。夜中にやってくるんです」 「ふぅん」 「ふぅんって。反応はそれだけですか?」 「大和クンって、なんか、おばあちゃんみたいだね」 「それならまだ、おじいちゃんのほうがマシだと思うんですけどねぇ」 「でも、安心してよ、大和クン。たとえそんなのがいたとしても、僕の所には出てこないから」 「じゃあ、それ、食べる気になったんですね?」 「そうじゃなくて。……はい。プレゼント」 「えっ?」 「これで。大和クンが残しても残さなくても、僕の前にはもったいないオバケは現れないってわけ。だって僕は残してないし」 「……ずるい、ですね」 「そう?……で。大和クン。それ、食べるの?食べないの?」 |
(2010/03/24) |
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