314.カルチャー大ショック(外部ファミリー)
「はるか! どうして通信機を置いていくんですか!」
「どうしてって。邪魔だろ? 使わないのに」
「使わない?」
「それにダサいしさ」
「ダサっ……ダサくなんかありませんっ。あれはプリンセスから与えられた大切なアイテムなのですよ?」
「それは前世の話だろ? 今は、携帯電話があるんだからさ。逆に、そんなもの持っているほうが、なにかと怪しまれるぜ?」
「携帯、電話、ですか」
「そう。あ、そういえばせつなの番号聞いてなかったな。メアドも」
「…………」
「あれ? せつな?」
「え? あ。はい」
「……もしかして、携帯電話、持ってない?」
「え、ええ」
「……というか、携帯電話を、知らない?」
「えっ? あ。いや、その。……はい」
「本気か?」
「嘘をついても仕方がないでしょう? 私がこちらの世界に来てどれくらいだと思っているのですか?」
「でも、僕たちの生活を覗いていたんだろ?」
「覗くだなんて、人聞きの悪い……。見守っていただけです」
「まぁ、物は言いようだよな」
「はるかっ」
「冗談だよ。じゃあ今度、携帯電話を買ってやるよ。その方が、色々と動きやすいだろうし」
「え、ええ」
「ああ、そっか。それで、だ。携帯電話って言うのは。まぁ、名前そのままだな。個人で携帯できる電話。今では地下じゃない限りは大抵何処でも通話できる」
「……電話、ですか」
「……ちょっと、待って。せつな、もしかして」
「電話、というのは。なんですか?」
「……嘘だろ、おい」
(2010/04/29)
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