319.未だに抜けない癖(不二塚)
「手塚。またやってる」
「え?」
「気付いてないんだ。鼻」
「……あ」
「もうコンタクトにして一ヶ月経つのにね。まだ抜けないんだ。眼鏡を直す癖」
「ああ。つい、な」
「テニスの試合中にもしてるの?」
「……かもしれないな。自分では気付いていないから分からない」
「そっか」
「お前は気付かないのか?」
「何が?」
「オレの試合を見ていて」
「んー。どうだろ」
「……観ていないのか?」 「観てるよ、観てるさ。けど。そうだな。もしかしたら、余りにも君の仕草が自然だから、僕も気づいてないのかもしれない。癖ってそういうものだし」
「だが今、お前は気付いた」
「うん。でもそれは、君が照れたから」
「何?」
「知らない?手塚、照れると眼鏡直すフリをして視線をそらすんだ」
「……試したのか?」
「君が勝手に照れただけだよ」
「…………」
「ほら、また」
「あ」
(2010/01/13)
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