327.因果応報(前世ウラネプ)
「喜べ、ネプチューン! 僕たちは死んだら生まれ変われるらしいぜ」
「ウラヌス?」
「但し、自殺は駄目だ。けど、そう、戦って死ぬのであれば。僕たちは未来でまた巡り会える。その時はきっと、使命からも解放されて。ただの、ひとりとして」
「…………」
「ネプチューン?」
「どうして、来世で巡り会えるなんて言い切れるの? 同じ時代に生まれるとは限ら――」
「生まれるさ、きっと」
「ウラヌス?」
「駆け抜ける時空の中でだって、僕は君の手を離すつもりは無い。生まれ変わったって。すぐにその手を掴んでみせる」
「……ねぇ、ウラヌス。今、倖せ?」
「えっ?」
「私はね、ウラヌス。戦いの中にあっても、貴女に対してこんな感情を抱くことが出来て、とても倖せなの」
「そりゃあ僕だって倖せだよ」
「じゃあ、来世での私達は、不倖になってしまうわね」
「何を、言ってるんだ?」
「因果応報っていう言葉、知っているでしょう?」
「そんなの。証明なんてされてないだろ? それに。君とこうして居られることは倖せだけど。辺りを見回せば不倖だらけだ。その差し引きはきっと、現時点でゼロだろうぜ」
「そうかしら」
「ネプチューン?」
「私は。誰から見ても不倖な状況にあったとしても。貴女が。貴女と居れば。それだけで総ての不倖が消え去るくらいに倖せなの」
「…………」
「だから、少し怖いわ。もし、生まれ変わるのだとしたら。私達、出会えないんじゃないのかって」
「どうして」
「だって、出会ってしまったら必ず倖せになるって、分かるもの」
「……ネプチューン」
「だからお願い。来世のことは、考えさせないで。今は、今の倖せだけを、想って?」
「……ああ、そうだな。ごめん。分かったよ、ネプチューン」
(2010/04/30)
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