３３０．おまけ付き（外部ファミリー＆Wうさ）
「ほたるちゃーん！」 「ちびうさちゃん」 「ごめんね、遅くなって。オマケがぐずぐずしてたから」 「だーれがオマケですってぇ？」 「うさぎさん、こんにちは」 「っと。こんにちは、ほたるちゃん」 「ごめんね、ほたるちゃん。こんなオマケつきで」 「だから、ちびうさ！」 「せーっかくほたるちゃんとのデートだったのに、このバカうさぎが」 「あんたねぇ。だーれが入場料払うと思ってるのよ」 「そんなのお金だけ渡せば済む話でしょーっ！」 「……あのー、実は私も」 「え？」 「やあ」 「はるかさん！」 「悪いね。オマケで」 「いや、その。えーっと。オマケはあくまでこのバカうさぎのことで。その、決してはるかさんがオマケとか言ってるわけじゃなく……」 「でも、折角のデートを邪魔しちゃったみたいだね」 「いえ、あ、そんな、その……」 「バカだねぇ、この子は」 「なによぉ。大体アンタがついてくるからこんなことにっ……！」 「そんなこと言うんじゃ入場料出してあげないからね！」 「そういうの、横暴って――」 「――――」 「……ほたる」 「なあに？」 「入場してないのに、随分と楽しそうだね」 「うん。すっごく楽しい。……いいな、ああやって遠慮なく言い合えるのって」 「遠慮なく、ね。まあ、確かに。僕たちには無理な話だ」 「無理なの？」 「無理だよ。無理というか、止めておいた方が良い、かな。ま、せつなとなら言い合えるかもしれないけど」 「……みちるママのこと言ってるの？」 「さぁ？どうだろうな」
(2009/11/12)