351.肴はあぶったイカでいい(不二ナン) |
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「なに、これ」 「なにって。酒の肴だよ」 「日本酒に?」 「なんだよ。この南次郎さまが腕によりをかけて作ったんだぜ?」 「なんでまた」 「オメー、どこぞのオヤジと高級ホテルでお楽しみしてたそうじゃねぇか」 「相手は教員だから、お酒は飲ませてくれなかったけどね」 「んなこたぁどーだっていいんだよ」 「なに。妬いたんだ」 「当ったりめーよ」 「随分と素直だね」 「俺はいつだって素直だぜ」 「越前くんは、母親似か」 「まぁ、それも間違っちゃいねぇな」 「でもさ、南ちゃん」 「何だよ」 「僕、南ちゃんと飲むのなら、肴はあぶったイカでいいよ」 「……何だ、その、演歌みたいなセリフは」 「そう?」 「ま、その方が俺のお財布的に助かるんだけどよ」 「だってそれに、なんか、南ちゃんの手料理って……不味そうで」 「って。おい」 |
(201/04/07) |
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