361.ガラクタ市場(はるみち)
「はるか、退屈?」
「少し、ね。僕から見れば、ガラクタの山だから」
「そうね。アンティークに興味のない人から見たらそうなのかもしれないわね」
「まぁ、中には目をひくようなものがあることも認めるさ。けど……」
「けど、なぁに?」
「もううちにどれだけの食器があると思ってるのかな?」
「それは……」
「ったく。まぁ、幸い我が家は4人で暮らすには充分すぎる広さがあるからいいけど。ただ観賞するにしたってしきれないだろ?」
「それは分かっているのだけれど」
「……分かったよ。そんな顔するなって。満足するまで買ったらいいさ。別にそれで僕が困るわけじゃないんだし」
「よかった」
「ああ、でも、さ」
「なあに?」
「この後、少しドライブして食事するって予定には支障をきたさない程度にしてくれよな。それと」
「ちょっと、はるか。なにっ……」
「……あんまり骨董に夢中になって、僕の存在を忘れないように」
「迷子になってしまうから?」
「みちる」
「冗談よ。でも。そうね。手は……」
(2010/06/17)
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