363.褒められたことのない座右の銘(不二忍)
「自分また男喰らったらしいな」
「耳が早いね」
「そいつがお前を喰うとか宣言しとったからな。それなのに今日、具合を聞こうとしたら顔真っ青にしてだんまり決め込みよった」
「なるほど」
「自分どんだけ酷いことしとんねん」
「どれだけって。まぁ、君にしてることよりは酷いことかな。セフレになられても困るしね」
「そういうのは俺だけで充分ってわけやな」
「いや、君以外にもいるけどね」
「あ、そう。……にしても。何で相手を喰うんや?そんなことせんと、普通に相手のしたらええのに」
「僕の座右の銘はね、喰われる前に喰え、だから」
「は?」
「のしたくらいじゃさ、複数でリベンジしに来るかもしれないでしょう?それが面倒なんだよ。だから」
「まぁ確かに。あれなら復讐しようなんて気は起きないだろうけど。だからって」
「そうなんだよね。褒められたこと無いんだ。この座右の銘」
「当たり前や」
「でも君は、そのお陰でこうして僕といろんなことできるようになったんだから。君だけは僕の座右の銘をバカにする権利はないよ」
「……それは」
「忘れないでね。君は、僕を喰おうとしてたんだってこと」
「…………」
「昨日僕が喰った相手。君はバカには出来ないからね?わかった?」
「……はい」
(2010/02/13)
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