368.こんなことで死にたくない(はるみち)
「ウラヌス。ウラヌス!目を開けてっ」
「……みちる」
「ごめんなさい。私をかばったせいで」
「何。泣いてるのか?」
「だって」
「大丈夫。僕は死なない。君を守ってなんて。そんなことで死にたくない」
「ウラヌス……」
「そんなことしたら、残りの人生、君は一生傷を背負っていかなけりゃならなくなる。そんなのは、絶対に駄目だ」
「もう、喋らないで。傷が」
「それに、最期が君の涙なんて。そんなのも嫌だ」
「はるかっ」
「大丈夫、だから。少し、眠ってもいい、かな?君に、僕を病院まで運ばせるのは、悪いと思うけど」
「何、言ってるの。私だって、これでも戦士なのよ。貴女くらい、容易く抱き上げられてよ」
「そう。なら、よかった。……ごめんな、みちる」
「謝るのは私のほうだわ。はるか。……はるか?はるかっ!」
(2010/01/24)
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