373.少女趣味(外部ファミリー)
「随分と、少女趣味な部屋にしたのね」
「女の子の部屋ってこんなもんだろ?」
「はるかの部屋もこうだったの?」
「僕は、別に」
「じゃあ、誰の部屋をモデルにしたのかしら?」
「変に勘繰るなよ。……無限学園の地下室に行ったときさ、ほたるの座っていた椅子の周りにぬいぐるみがたくさんあっただろ?だから。そういうのが好きなんじゃないかと思ってさ」
「変なところを覚えているのね。そんなの見ている余裕なんて、無かったはずなのに」
「不思議なもんだよな」
「それは私のセリフよ、はるか。……それにしても。これ全部、はるかが買ってきたの?」
「ああ」
「はるかが選んで?」
「ああ」
「……そう」
「なんだよ」
「はるかが苦労してぬいぐるみを選んでいる姿、見ていたかったわ」
「あのなぁ」
「お店の人に変に思われなかった?」
「……それは、その。なんていうか」
「なあに?」
「あれ」
「……まさか」
「そう。全部プレゼント用として包んでもらったんだ。一応、間違ってはいないしね」
「勿体無いことして。包んでくれた店員さんにも悪いわ」
「だってしょうがないだろ。僕がぬいぐるみを抱きかかえるわけにもいかないし」
「どうしてよ」
「どうしてって……」
「そういうはるかも見てみたいわ。ねぇ。今度一緒にぬいぐるみを買いに行きましょう。大きいのを」
「これ以上ぬいぐるみを置いたら、部屋が狭くなるだろ?」
「私の部屋に置くわ」
「みちるの?」
「あら。私がぬいぐるみを欲しがってはいけない?」
「いや。構わないけど。なんか、意外だな」
「私だって女の子よ?」
「それも、そうか」
「でも、はるか」
「ん?」
「今度は包装しないで、はるかが抱きかかえて持って帰ってきて」
「……え。もしかして、みちる。それが見たいがために?」
「はるかも、女の子なのよね」
「…………」
(2010/02/16)
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