375.言いなり(はるみち&星)
「よく、アイツの言いなりなんかなってられますね」
「え?」
「聞きました。ギャラクシアとの戦いの時のこと。みちるさん、アイツに言われるがままにギャラクシアの手に落ちたって」
「……一体、誰から聞いたのかしら?」
「っ。そんなことは、どうでも、いいじゃないですか。……どうして。作戦に成功してもしなくても、死ぬって分かってたのに。どうしてみちるさんはアイツの言いなりにっ」
「私は、はるかの言いなりになったつもりはなくてよ。はるかを信じてついていくことを、ただ、選んだだけ」
「言いなりと、何が違うっていうんですか」
「あなたは、私を批難しているの?」
「そういうわけじゃないですけど。ただ、納得がいかなくて。アイツは、プリンセスでもなんでもないのに」
「あなたにとってはそうかもしれないけれど。私にとっては、命を賭けるに値する、とても大切な人よ」
「命を、賭けてもらっちゃ困るんだけどね。本当は」
「はるか」
「っお前」
「迎えに来たよ、みちる」
「ありがとう」
「…………」
「何だ?」
「命を賭けてもらっちゃ困るだって?だったらどうして」
「僕はただ、道を示しただけだ。そこを歩くかどうかは、みちる次第だったんだ」
「けど、みちるさんがそこで拒否したら、お前は他の二人と同じように、みちるさんを……」
「それを覚悟しての選択だ」
「どっちにしても」
「今は生きてる。それじゃあお前は不満なのか?」
「……また、同じことが起こらないとも限らないだろ?」
「起こらないさ、もう二度と。……起こさせない。そのために僕達はまだ一緒に暮らしてるんだ」
「…………」
「みちる。帰ろう?余り遅くなると、ほたるが拗ねる」
「ええ。でも……」
「アイツのことなら、気にするな。ったく、何しに来たんだか」
「きっと心配になったのよ。誰かさんが、あの時のことを話すから」
「……誰だろうな?」
「はるかさん?」
「……みちる」
「なぁに?」
「……いや、いい。……おい。お前、足は?」
「は?」
「帰るんだったら、乗せてやらないこともないぜ?お前のマンションどうせ帰りみ……」
「おい!」
「あ」
「そうね。星野さん。乗っていったらいかがかしら?帰り道にマンションがあるのでしたら」
「……い、いえ。結構です。大気たちも待ってるんで。オレ、これで失礼しますっ」
「あ。おい!……逃げたな」
「逃げた?」
「あー。えーっと。……あのさ、みちる」
「帰りましょう?」
「え?」
「ほたるが。待ちくたびれてしまうわ。せつなの料理も冷めてしまうし」
「ああ。そうだな。……みちる」
「はるか」
「……分かった。帰ろうか。僕達の家へ」
「ええ」
(2010/03/28)
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