382.ベストフレンド(はるか&エルザ)
「あたしたち、いい友達になれそうじゃない?」
「どこが」
「だって、同じ人を大切に思ってるんだから」
「僕は別にっ、みちるのことなんて……」
「誰も、みちるなんて言ってないけど?」
「…………」
「ライバルで、友達か。なんか複雑だわ」
「仮に僕がみちるに対して何らかの感情を抱いてたとして」
「仮に?」
「いいから。……それでどうして友達なんだ?ライバルじゃないのか?」
「……ライバルには、なれないかな」
「どうして」
「みちるはどうしようもなくあなたのことが好きなんだ。ライバルだなんてあたしが張り切ったところで、あなたには敵わない。あなたが、どう思っていようとね」
「……だから、友達か」
「そ」
「それを言うなら、陸上の方も、友達かもな」
「どうしてよ」
「君が張り切ったところで、僕には勝てないからさ。僕が本気を出そうと出すまいと」
「あら、ムカつくわね」
「友達なら、これくらい言い合えないとだろ?」
「……あー、ほんと。こんな奴の何処がいいんだか。今までみちるには欠点がないと思ってたけど、男を……じゃないか。人を見る目がなかったか」
「それを言うなら、君を友達に選んだことも、見る目がなかったってことになるけど?」
「……友達と恋人は違うから。ていうか、あんた、本当にムカつくわね」
「そりゃあどうも」
「ったく」
(2010/05/03)
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