383.妥当な路線(はるみち)
「どうしたの? また、顧問の先生と言い合っていたみたいだけれど」
「なんだ、見てたのか」
「愚問ね」
「……愚問、ね」
「それで?」
「ああ。種目を変えたいって言ったんだ。200では、一応日本記録更新したから。正式なタイムじゃないけど」
「それで、顧問の先生は?」
「当然、NG。せめて一度大会に出てから種目を変えろってさ」
「仕方がないわ。学校は実績を欲しがるものだもの。一度くらい、大会に出てあげたら?」
「結果の見えた試合なんて、つまらないだろ?」
「はるかはそうかもしれないけれど」
「君は、違うの?」
「私は……。はるかが楽しく走っていればと思うけれど」
「けど?」
「どっちにしても楽しめないのなら、表彰されいる貴女を見てみたいわ」
「……いいのか?」
「え?」
「そんなことになったら、また僕のフリークが増えるけど」
「……随分と、自信過剰なのね」
「そう思うなら、そんな顔するなよ」
「え?」
「表彰台は、レースの世界でいいかなって思ってるんだ。今は、まだ。余地がないほどに距離が縮まれば、フリークが増えたって何の問題も無いだろ?」
「なんの、話をしているの?」
「君の顔の話、かな」
「……もう」
(2010/05/18)
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